








Amsterdam Bridge Chair by Pierre Guariche, France 1954
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Amsterdam Bridge Chair by Pierre Guariche, France 1954
Guaricheの代表作として知られるアーム付きのアムステルダムブリッジチェアです。薄く成形されたシェル状の座面、背もたれ下部に開けられた楕円形の抜き、黒くラッカー仕上げされた細いチューブ脚、そして軽やかに張り出す木製アームなど、どの要素も極めて合理的でありながら、全体にはどこか軽妙な造形美が漂います。最も印象的なのは、座面から背へと一枚の面が流れるようにつながるフォルムです。背は後方へゆるやかに傾き、座る人の身体を自然に受け止めます。厚みを抑えたシェルは非常に軽快で、横から見ると赤い布を一枚すっと空中に浮かべたような独特の雰囲気があります。素材のしなりと身体の角度を読み込んだ造形ともいえます。背もたれ下部の楕円形の開口部も、この椅子を個性的なものにしています。赤いシェルの中に白い抜けが生まれることで視覚的に強いアイコンとして働き、正面から見た時の表情をぐっと印象的にしています。木製アームの扱いも見事で、黒いスチールフレームの上に細長く削り出された木部が静かに乗っている塩梅です。赤のファブリック、黒のメタル、明るい木肌、この三つの素材がつくるコントラストは、非常にフランスらしい軽やかさを持っています。アームの先端はわずかに丸められ、直線的な構造の中に、手で触れた時のやさしい感触が残されています。Amsterdam Chair は、戦後フランスにおける量産家具の課題に応えた椅子として語られます。過度な装飾や重厚な伝統様式から離れ、成形合板やスチールパイプといった素材を用いて、軽く合理的で現代的な椅子をつくる、その試みは1950年代のフランスデザインにおける重要な転換点のひとつでした。このチェアの魅力は、現代の空間に置いた時の強さも格別なところです。赤いファブリックは抽象絵画や古い油彩、真鍮やオーク、ローズウッド、黒いメタルなどと美しく響き合います。ラウンジチェアほど重くなく、ダイニングチェアほど硬くない。その中間にある、軽やかな余白を持つ一脚です。一脚で置いても、壁面にアートを掛けた空間でも、サイドテーブルを添えた読書用の椅子としても美しく存在します。Pierre Guariche が1950年代に追求したフランス・モダンデザインの精神を、いまなお鮮やかに伝えてくれる一脚です。
Size : W63 / D40 / H77 cm
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