Sculptural Brass Bookends by Carl Auböck, Austria, 1950s

Sculptural Brass Bookends by Carl Auböck, Austria 1950s

こちらはオーストリアのデザイナー、カール・オーボックによる真鍮製のブックエンドです。彫刻でもあり道具でもあるという曖昧さに、オーボック特有の知性と遊び心が感じられます。重厚な金属の冷たさが、どこか人間的な温もりに変わっていく特徴を持つオーボックの抽象的フォルムは、戦後ウィーン工芸の革新を象徴する存在として受け継がれています。当時、バウハウスの理念を継承しながらも、オーボックは量産を拒み手仕事の温度を重んじました。本作はその哲学の結晶であり、絶妙なバランスの中、左右の造形が呼応し合っています。静けさに内在するエネルギーのように、書物を支えるだけでなく空間をも引き締める高雅なオブジェです。

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